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dcsvの企業研究

思うところあって、企業研究をしようと考えています。企業理念やビジョン、トップメッセージ等を見ていきます。

ゴールドマンサックス Goldman Sachs BUSINESS PRINCIPLES

国内の金融機関の企業理念を見てるとグローバルという言葉が頻繁に出てくるので、いっそのこと 外国の金融機関を見てみようかと思います。

 

Goldman Sachs Business Principles

Goldman Sachs | Business Principles and Standards - Goldman Sachs Business Principles

 

たくさん書いてあります。タイトルを抜き出すと、

1.OUR CLIENTS’ INTERESTS ALWAYS COME FIRST.
2.OUR ASSETS ARE OUR PEOPLE, CAPITAL AND REPUTATION.

3.OUR GOAL IS TO PROVIDE SUPERIOR RETURNS TO OUR SHAREHOLDERS.
4.WE TAKE GREAT PRIDE IN THE PROFESSIONAL QUALITY OF OUR WORK.
5.WE STRESS CREATIVITY AND IMAGINATION IN EVERYTHING WE DO.
6.WE MAKE AN UNUSUAL EFFORT TO IDENTIFY AND RECRUIT THE VERY BEST PERSON FOR EVERY JOB.
7.WE OFFER OUR PEOPLE THE OPPORTUNITY TO MOVE AHEAD MORE RAPIDLY THAN IS POSSIBLE AT MOST OTHER PLACES.
8.WE STRESS TEAMWORK IN EVERYTHING WE DO.
9.THE DEDICATION OF OUR PEOPLE TO THE FIRM AND THE INTENSE EFFORT THEY GIVE THEIR JOBS ARE GREATER THAN ONE FINDS IN MOST OTHER ORGANIZATIONS.
10.WE CONSIDER OUR SIZE AN ASSET THAT WE TRY HARD TO PRESERVE.
11.WE CONSTANTLY STRIVE TO ANTICIPATE THE RAPIDLY CHANGING NEEDS OF OUR CLIENTS AND TO DEVELOP NEW SERVICES TO MEET THOSE NEEDS.
12.WE REGULARLY RECEIVE CONFIDENTIAL INFORMATION AS PART OF OUR NORMAL CLIENT RELATIONSHIPS.
13.OUR BUSINESS IS HIGHLY COMPETITIVE, AND WE AGGRESSIVELY SEEK TO EXPAND OUR CLIENT RELATIONSHIPS.
14.INTEGRITY AND HONESTY ARE AT THE HEART OF OUR BUSINESS.

14もあります。英語の理解が怪しい部分もありますが 簡単にいうと、

  1. 顧客第一主義
  2. 人材、資本、評判が資産
  3. シェアホルダーへの優れたリターンがゴール
  4. プロフェッショナルな成果の品質にプライドを持つ
  5. 全ての事業の創造性とイマジネーションを重視する
  6. 全ての仕事に 本当に最適な人材を 見つけ、採用することに非常に力を注ぐ
  7. 従業員に ほかのどこよりも 迅速に進歩する機会を提供する
  8. 全ての事業においてチームワークを重視する
  9. 従業員の会社への献身と 仕事への強烈な努力が ほかのどの組織よりも見られる
  10. 資産規模を保全を考慮する
  11. 顧客の変化の速いニーズを先取りし、そのニーズに応えるため新しいプロダクトを開発することに継続的に挑戦する
  12. 通常の取引の一環で 顧客から機密情報を定期的に受け取るが不公正に使用することはありえない
  13. ビジネスは競争が激しく、顧客との関係進化を積極的に目指す
  14. 誠実さと公正さが ビジネスの根幹

といったイメージです。

たくさんありますが、従業員に関するものの数が割合多いというのが印象的です。

 

 

 

大和証券グループ 企業理念

続いて、大和証券グループです。

 

大和証券グループ本社 / 企業理念

 

企業理念

「信頼の構築」
お客様からの信頼こそが、大和証券グループの基盤である。
お客様を第一に考える誠実さと高い専門能力により、最も魅力ある証券グループとなる。

「人材の重視」
大和証券グループの競争力の源泉は人材である。
社員一人ひとりの創造性を重視し、チャレンジ精神溢れる
自由闊達な社風を育み、社員の能力、貢献を正しく評価する。

「社会への貢献」
金融・資本市場を通じて社会及び経済の発展に資することは、大和証券グループの使命である。
法令遵守と自己規律を徹底し、高い倫理観を持って社会の持続的発展に貢献する。

「健全な利益の確保」
健全なビジネス展開を通じて企業価値を高めることは、株主に対する責務である。
大和証券グループはお客様に価値あるサービスを提供して適正な利益を獲得し、株主に報いる。

最初に 顧客からの「信頼の構築」を挙げています。ステークホルダーのうち 顧客を一番に重視するということですね。それに向けて 誠実さと高い専門能力で勝負するとあります。

 

そして 「人材の重視」と従業員を次に重視するとあります。競争力の源泉が人材と言い切っているところがポイントかと思います。

 

3つ目に「社会への貢献」と 社会・経済の発展と、コンプライアンスを重視するとあります。

 

最後に「健全な利益の確保」と株主のことに言及しています。順番的に株主が最後というのが印象的です。

 

経営方針

続いて経営方針です。

大和証券グループ本社 / 経営方針

当社グループは、目標に掲げるROE、固定費カバー率共に相応の実績を残し、また、資産管理型ビジネスの主力商品として重点的に取り組んだラップ口座や、相続トータルサービスの申込件数も大幅に増加するなど、着実な前進を果たした。

中期経営計画2年目となる平成28年度は、依然、不透明な世界経済情勢の中、外部環境に左右されにくい強靭な経営基盤の確立に向けた取り組みを更に進化させる。

具体的には、市場環境に拘わらず確実に存在する大きな社会的ニーズ、即ち、お客様のライフステージに沿った資産形成、資産運用、そして相続に関連するニーズに的確に応える中で、「フロー収益の安定化」を図ると共に、資本の有効活用を通じた、安定収益をもたらす新たな事業の拡充を図る。

当社グループは、業界トップのクオリティにより、「お客様に最も選ばれる総合証券グループ」として、“貯蓄から投資”の流れをリードし、日本の成長戦略に貢献できるよう、グループを挙げて取り組んでいく。

 企業理念、経営方針ともに、世界やグローバルという言葉が出てこないのが印象的です。

足元の資産管理型ビジネスが順調に伸びていて、それを強化して 収益の安定化を目指しているとあります。すっきりとした内容で、わかりやすいです。現場は それほど単純ではないのでしょうが、方針として明確で企業全体で見たときにいきわたりやすいのではないかと思います。

 

今後展開の妄想

大和証券グループは、傘下に大和ネクスト銀行という銀行を持っており、経営方針の詳細にも 銀証連携強化という言葉が出てきます。

これは メガバンクが証券子会社を グループ内に配置して、商品ラインナップを広げているのと、同じ考え方かと思います。そういう意味では、狙いが重なっていて 強大な競争相手がいると考えられます。

足元は ファンドラップ等の資産管理型ビジネスが伸びていて好調に見えますが、今後への布石という面では 縮小が見込まれる国内ビジネス中心で、メガバンクと戦っていくと考えると、なかなか難しい局面が出てくる可能性がありそうです。

ここで考えられるのは、メガバンクと正面から競争することになりそうですが、買収か設立するかして信託銀行機能をグループ内において、遺産相続や資産継承といったニーズを入口に資産管理型ビジネスをさらに伸ばすことを目指すという道がありそうです。

そういう意味では、メガバンク勢がグループ内連携に戸惑っている間に、いかに資産管理型ビジネスで スピード感をもってシェアをとっていくかがポイントになりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

野村ホールディングス ミッションステートメント

続いて 少し視点を変えて、証券会社を見てみたいと思います。

それでは証券会社のなかで、トップの野村ホールディングスから見ていきましょう。

 

創業の精神と野村の歴史 | ミッション・ステートメント - 野村グループ

 

ミッションステートメント

名前がミッションステートメントであるのと、箇条書きであるところが 形からして 銀行とは文化の違いを感じます。

1.「投資」を軸に豊かな社会の創造に貢献する
2.変化を尊重し、常識を打破して、成長への挑戦を続ける
3.「顧客ありき」を貫き、常に顧客の揺るぎない信頼を獲得し続ける
4.「野村は一つ」の意識を持って連携し、野村グループの総合力を発揮する
5.多様性とお互いを認め合う精神を尊重する

 

 最初に、あえて『「投資」を軸に』と記載しているところに特徴を感じます。あくまで証券業務を中心にして社会に貢献するということですね。

 

次に「変化を尊重」「常識を打破」「成長への挑戦」とあります。現状維持ではなく、常にチャレンジをするということのようです。

 

また「顧客ありき」を貫くことを強調しています。社内成績の競争ではなく、顧客のことを考えますよということですね。

 

「野村は一つ」というのは、買収したリーマン部隊のことや 今後の買収について言っていそうです。

 

最後に「多様性」「お互いを認め合う精神」に言及しています。単一の文化になることなく、個性で勝負というところでしょうか。

 

 

長期経営ビジョン

以下のページで長期経営ビジョンに言及している部分がありました。

グループCEO永井浩二メッセージ - 野村グループ

新たな成長に向けたアクション

2014年8月、野村グループでは2020年3月期をターゲットとする長期経営ビジョンを策定しました。当社を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化していくと予想されますが、我々は、この変化を絶好の機会(Chance)として捉え、我々自身も果敢に変革(Change)していくという思いを込めて、この二つのCを用いて、「Vision C&C」というスローガンを掲げました。

このビジョンのもとで、(1)国内におけるビジネスモデルの変革と、(2)海外の収益性のさらなる改善、という二つの大きなテーマに取り組み、いかなる環境においても持続的な成長を果たせるよう、各部門において、そのための基盤づくりに取り組んでいます。

 

長期経営ビジョンは「予想される会社を取り巻く環境の大きな変化を絶好の機会(Chance)として捉え、自身も果敢に変革(Change)していく」ということのようです。

つまり、環境変化を当たり前のものとして受け入れて、前向きに会社を変えながら対応していくということだと思います。変動の大きい市場を相手にしている証券会社らしいと感じました。

 

長期経営ビジョンに向けたアクションとして、国内は「ビジネスモデルの変革」をしていくとあり、これは売買手数料を中心としたフローから収益を獲得するビジネスから、預り資産の運用・管理を中心としたストックから収益を獲得するビジネスに変えていくということを言っているのだと思います。他の証券会社も同様ですが、ラップ口座に力を入れているのも その現れかと思います。

また、海外は「収益性のさらなる改善」をしていくとあり、これは リーマンショック時に買収したリーマンの部隊の収益性をあげていくということだと思います。

 

 あと、同じメッセージのページの最後のほうに印象的な記述があります。

持続的な成長のために必要なこと

資本市場において適切な資金循環を促す証券業をベースに、経済の成長や社会の発展に貢献していくことが野村グループの社会的使命です。

 印象的であったのは「資本市場において適切な資金循環を促す証券業」という記述です。つまり、自社がスコープとするのは資本市場であり、証券業とは 適切な資金循環を促すことがベースであると定義しています。

資本市場 - Wikipedia

いわく、資本市場とは「企業の設備資金や長期運転資金などといった企業資本の売買が行われている市場。」であり、それを滞ることなく より円滑に循環するようにすることが主な仕事であると捉えられます。

 

 

今後の展開の妄想

上記の印象的な定義より、信託銀行を配下に持ってはいるものの 預金の受入と資金の貸出を行う銀行業への本格的な進出は あまり考えていないのではないかと推測できます。

全体的に メガバンクとは 考え方違いがあるという印象があります。ストック型のビジネスを伸ばすというところは、銀行のビジネスモデルに近づくようなイメージがありますが、基本的な考え方として「投資を軸に」とあるようにリスクを取っての投資がメインであることが銀行とは違うと考えられます。

そういう意味では、国内トップクラスのアセットマネジメント 子会社を持っていて、運用手段を提供して 収益を取りに行くということもできている面では、特色あるビジネスモデルと考えられます。

また、グローバル展開という意味では 実際に、グループ全体で見たときに ここ数年、足を引っ張ってきたと考えられるリーマン部隊を なんとか黒字化にもってきて、将来的な成長の種にできてきているという面が強みと考えられます。

国内金融機関で、それなりの規模の海外部門を黒字化できているところは少ないと考えられ、日本国内が縮小すると見込まれる中で 今後の世界の成長を取り込んでいけるというのは 大きなアドバンテージである可能性が高いと考えられます。

 

 

 

3メガ銀行まとめ

手始めに3メガフィナンシャルグループを見ましたが、いったん整理してみようと思います。

 

目指す姿
MUFG 世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ
MFG 日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ
SMFG 最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さまと共に成長するグローバル金融グループ

 

3社ともグローバルという言葉が入っています。やはり国内トップグループの金融機関として、ゴールは日本にとどまらず 世界と置いているということのようです。ただ、グローバルといっても多少 温度差があります。

一番グローバルにまっすぐなのはMUFG、次に 日本・アジアをリードと入っているSMFG、日本を代表するとしているMFGという順の温度感に感じます。

 

あと、意識をしているのかわかりませんが個人的にそれぞれ以下が印象に残りました。

 MUFG:「世界に選ばれる」と、なぜか受け身の言葉から始まっています。

 MFG:「開かれた」と、測り方が難しそうな ふんわりした言葉が入っています。

 SMFG:下記の経営理念はシンプルですが、目指す姿は全体的に少し長い印象です。

 

 

経営理念:キーワード抜粋
MUFG 常に世界から信頼される存在
期待を超えるクオリティで応え続ける
共に持続的な成長を実現する
社会の確かな礎となる
MFG 常にフェアでオープンな立場
時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる知見
最高水準の金融サービスをグローバルに提供
持続的かつ安定的に成長
グループ一体となって貢献
価値を創造
豊かな実りを提供
SMFG より一層価値あるサービスを提供
共に発展
株主価値の永続的な増大
社員が能力を発揮できる職場

 

顧客とともに安定的に・持続的に 成長・発展というのは共通していますが、他はそれぞれ特徴があるように思います。

 

MUFG:世界から信頼されることを1番に置いています。それに向けて期待を超えるクオリティで応え続けると、自らのハードルを上げているように見えます。自分たちを自ら追い込んで、成長していくということなのでしょうか。

 

MFG:ニュースになったこととかを背景にして経営理念を見ると、今の課題が透けて見えるような気がしてならないです。「常にフェアでオープンな立場」「時代の先を読む」「未来に貢献」「最高水準の金融サービス」「グループ一体となって」等、できていないからこそ 経営理念として掲げているような気もしています。

 

SMFG:以前にも書きましたが、非常にシンプルです。顧客、株主、従業員の3ステークホルダーに向けたシンプルなメッセージで、わかりやすいと思います。シンプルな分、それをどう実現するか 3年後や10年後の姿を規定することで、明確にしていっています。

 

 

 

三井住友フィナンシャルグループ 経営理念

メガバンクの残る一角、三井住友FGです。

 

経営理念 : 三井住友フィナンシャルグループ

 

経営理念

なんと3メガバンクで一番短い3行です。

お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する。

事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る。

勤勉で意欲的な社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場を作る。

一番印象的なのが、グローバルや総合金融機関といった言葉が出てこない点です。

 

シンプルに 顧客と共存共栄、企業としてのゴーイングコンサーン、社員の能力発揮と 3つにまとめています。

それぞれ 顧客、株主、従業員という ステークホルダーを意識しての理念と考えられます。すがすがしいです。

 

トップメッセージ

トップメッセージ : 三井住友フィナンシャルグループ

中長期的な話題はトップメッセージのページに記載がありました。ここから若干 複雑です。

 

 10年後と3年後に分けて記載されています。

まず、10年後。

「最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さまと共に成長するグローバル金融グループ」

 と最初にあり、

「アジア・セントリック」の実現

「国内トップの収益基盤」の実現

「真のグローバル化」と「ビジネスモデルのたえざる進化」の実現

  といった言葉が下支えする形になっています。日本・アジアをリードし、成長するグローバル金融グループ、とここで初めてグローバルという言葉が出てきました。やはり、アジアを中心に考えているようです。国内というドメインではなく、アジアの銀行という位置づけになりたいということでしょうか。

「国内トップの収益基盤」を実現するというのは、なんとなく目標としてわかるのですが、「真のグローバル化」や「ビジネスモデルのたえざる進化」を実現するというのは どうなっていることなのかイメージがつかないです。

 

3年後は、以下の4つです。

① 内外主要事業におけるお客さま起点でのビジネスモデル改革

② アジア・セントリックの実現に向けたプラットフォームの構築と成長の捕捉

③ 健全性・収益性を維持しつつ、トップライン収益の持続的成長を実現

④ 次世代の成長を支える経営インフラの高度化

2014年度からの3ヵ年計画のようなので、2017年2月末現在 その最終局面、つまり今は3年後の時点にあります。 それぞれについて、詳細に説明があります。

 

① 内外主要事業におけるお客さま起点でのビジネスモデル改革

まず、お客さま起点でのビジネスモデル改革については、多様化・高度化するお客さまのニーズへの対応力を高めるため、銀行と証券、国内と海外拠点、法人担当と個人担当などの連携や一体運営を進め、グループ力の強化を図ってきました。海外では、お客さまに対して証券サービスや決済関連サービス等のクロスセルを推進するとともに、高採算資産の積み上げ等を通じたポートフォリオの採算性向上・多様化に努めています。

このような取組の結果、たとえば、国内貸出金の増強、個人預り資産の増加、海外での証券関連収益の拡大や利ざやの確保等の成果に結びついており、SMFGの競争力は、着実に強化されていると考えています。

業種や地域、担当の枠を超えて連携、一体運営をして、国内貸出金、個人預かり資産が上向いているとのこと。また、海外で多様な商品・サービスをクロスセルして、高採算資産の積み上げを行い証券関連収益や利ザヤが確保できているとのことのようです。

10年後に実現する「国内トップの収益基盤」に向けた施策を着実にできていると考えているように見えます。

 

② アジア・セントリックの実現に向けたプラットフォームの構築と成長の捕捉

次に、アジア・セントリックの実現に向けた取組としては、新たな拠点の開設や香港の東亜銀行やカンボジアのアクレダ・バンクといった地場銀行を持分法適用関連会社とするなど、アジアでのプレゼンスを高めてきました。また、日本に次ぐ新たなフランチャイズを構築するべく取り組んでいるインドネシアでは、持分法適用関連会社である現地の銀行バンク・タブンガン・ペンシウナン・ナショナル(BTPN)とモバイルバンキングビジネスで協働を推進しています。「アジアと言えばSMFG / SMBC」と言われるような、アジア屈指の金融グループを目指し、着実に歩を進めています。

 過半数は握らない形で持分法適用関連会社として いくつかの今後成長が見込まれる国や地域に投資をして、アジア屈指の金融グループを目指しているようです。三菱UFJフィナンシャル・グループがタイの銀行を子会社化していたのに比べて、広く浅くという印象を持ちます。評価は難しいのでしょうが、アジアでのプレゼンスを高めたとか、協業を推進していますといったことが、プラットフォームの構築につなかっているのかは見えにくように思います。

こちらは 10年後の「アジア・セントリック」の実現に向けて 着実に進んでいるということにしているようです。

 

③ 健全性・収益性を維持しつつ、トップライン収益の持続的成長を実現

トップライン収益については、中期経営計画初年度は順調な滑り出しとなりましたが、2年目となる2015年度は伸び悩む結果となりました。とりわけ下期において、株価の下落や円高の進行など、市場環境の変化による影響を受けたことが主な要因です。これに加えて、コンシューマーファイナンス子会社における利息返還損失引当金の繰入や、BTPNののれん減損といった一過性の下振れ要因も発生したため、連結経常利益は9,853億円、連結当期純利益*1は6,467億円となりました。財務目標の進捗は、健全性を除き、厳しい結果になったと受け止めています。足許の事業環境は、中期経営計画策定時の想定から、状況が大きく変わってきており、詳細は後述しますが、今後はよりボトムライン収益に軸足を置いた運営が必要と考えています。

健全性は目標をクリアしたものの、トップライン、収益ともに思わしくなかったようです。市場環境の変化のみならず、貸金業での過払金の返還への引当や 力を入れたインドネシアの子会社の減損といった個別の原因があったことも認めています。ちょっと苦しそうですね。 

3年後の1つ目のところに関係しますが、10年後に実現する「国内トップの収益基盤」に向けた取組みのうち、足元は思わしくないということでしょうか。

 

④ 次世代の成長を支える経営インフラの高度化

最後に、経営インフラ高度化の観点では、コーポレートガバナンス体制の整備やダイバーシティの推進にも力を入れてきました。まず、コーポレートガバナンスについては、2015年5月に、SMFGにおける原則・指針として「SMFGコーポレートガバナンスガイドライン」を策定したほか、2015年6月には、多様な社外の視点をより一層経営に取り入れていくこと を主眼に、社外役員を増員しました。より実効的な体制構築を進めることができたと考えています。

 10年後に実現する「真のグローバル化」は コーポレートガバナンス体制の整備やダイバーシティの推進が有力な手段のようです。

一方の「ビジネスモデルのたえざる進化」の部分は、最初の3年では具体的な施策が見えてきていないように感じられます。

 

 

今後の展開の妄想

 あと7年で、「アジア・セントリック」を実現するということについては、今後も引き続き 広くいろいろな国や地域の金融機関を取り込んでいくことで目指していくだろうことが予想されます。

ただ、日本に次ぐフランチャイズの構築と意気込みをみせているインドネシアでも持分法適用の範囲での出資であり、かつ それも減損しているという影響もあり、子会社として買収したりする進出方法は考えていないように見えます。ですので 持分法適用の範囲で広く浅く投資をして それの成長を取り込むことに主眼を置いているように見えます。

緩めのグループという形で アジアの成長をカバーするというイメージかと思います。そういう意味で「ビジネスモデルのたえざる進化」を実現していくのかもしれません。

 

特徴として感じられるのが、他で出てくる総合金融グループという言葉が出てこないことです。グローバル金融グループという言葉は出てきていますが、総合という言葉はないようです。ただ、3年後の1つ目に記載のある通り 業種や地域、担当の連携は着実に取り組んでいるため、あえて表現せずとも自然にそうしていくというイメージでしょうか。SMBC日興証券も買収して子会社としたため、役割分担、連携はできそうです。ただ、信託銀行は 三井住友信託銀行が 独立した別路線で関係が薄く、シティのリテール部門を買収したSMBC信託銀行をグループ内においている関係で その面の強化は必要になってくるかもしれません。

 

10年後のゴールに向けた3年間という意味では、「国内トップの収益基盤」と「真のグローバル化」については、施策があまり順調でない、もしくは具体策が見えていないように感じられます。ただ、経営理念、10年後、3年後と ゴールに向けて、ブレークダウンをして、それぞれ目標と足元の進捗具合を評価している姿勢は 素晴らしいと思います。

 

 

みずほフィナンシャルグループ 基本理念

三菱UFJフィナンシャル・グループを見たので、次は3メガバンクの一角の みずほフィナンシャルグループを見ていきたいと思います。三井住友より先なのは、あいうえお順です。

 

みずほFG:企業理念

 

基本理念

さっそく見ていきましょう。

基本理念:<みずほ>の企業活動の根本的考え方

<みずほ>は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、
常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、
幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展にグループ一体となって貢献していく。
これらを通じ、<みずほ>は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。

 「日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ」を標榜しています。

開かれたの意味合いは推し量れないのですが、グローバルな総合グループを目指しているということのようです。

 

次に「フェアでオープンな立場」とまたまた開かれたと似たオープンという言葉がでてきます。気になりますね。

ここから みずほ特有の観点と思えるのですが、「時代の先を読む」「顧客の未来に貢献できる知見を磨く」といった刺激的な言葉が並びます。

 

あとは「持続的かつ安定的な成長」「経済・社会発展にグループ一体となって貢献」とあります。こちらも短期目線ではありませんよということなのでしょう。基本理念に「グループ一体」という言葉が出てくるのも特徴的ですね。

 

最後に、「いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造」「顧客、経済・社会に<豊かな実り>を提供」「かけがえのない存在」であり続けるとしめています。価値創造するものや提供するものが抽象的な気がするのですが、そこは おいおい考えるということでしょうか。

 

大くくりでまとめると、ゴールは以下の2つくらいかと考えられそうです。

1.未来を先読みして、グローバルに 総合金融サービスを提供。

2.グループ一体となって、顧客と共存共栄。

 

 

経営ビジョン

それを受けて あるべき姿・将来像を定義しています。

 

ビジョン:<みずほ>のあるべき姿・将来像

『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、グローバルで開かれた総合金融グループ』

1. 信頼No.1の<みずほ>

豊かな発想力と幅広いお取引により培われた豊富な経験・専門的な知見を備えた、お客さまの中長期的なパートナーとして、最も信頼される存在であり続ける。

2. サービス提供力No.1の<みずほ>

グローバルな視点から経済・社会の変化をいち早く予見し、個人・法人それぞれのお客さま、そして経済・社会にとって、常に革新的で最適な金融サービスを提供する。

3. グループ力No.1の<みずほ>

常に変化するお客さま、経済・社会の多様なニーズに応えるべく、幅広い金融サービス機能を持つエキスパート集団として、グループの総力を結集する。

 

最初に あるべき姿として、 『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、グローバルで開かれた総合金融グループ』と定義しています。やはり いきなり世界ではなく、アジアへ展開してから 世界へと広げていくというイメージでしょうか。グループの総力を結集することもあるべき姿というのは、逆説的に印象的です。

 

 

ゴールに至る手段すべてにNo.1という言葉が入っていて、力強さを感じます。 3つのNo.1を手段にゴールを目指しますということですね。

 

1つ目は、信頼。豊かな発想力と幅広い取引による経験・専門知識を武器に信頼してもらうということのようです。豊かな発想力というのが、何を指しているのか つかみかねていますが、次に記載のある 幅広い取引とあわせると 商品ラインナップを広く取り揃えて信頼を得ていくということでしょうか。

 

2つ目は、サービス提供。「グローバルな視点」「変化をいち早く予見」「常に革新的で最適な金融サービスを提供」と刺激の強い言葉が並んでいます。挑戦のしがいのありそうなテーマです。

 

3つ目は、グループ。グループというか、本体の銀行のほうの統合で手間取っているように見受けられますが、信託銀行、証券会社ともに子会社となっており、業種間の連携の障害は大きくなさそうです。見たところ、商品の重複も多くなさそうで それぞれで力を入れるところを分担しているように見えるため、銀行をなんとかして力を発揮するということが課題かもしれません。

 

見返してみると、若干 定義をつかみかねる言葉が多く、意図するところがわかりにくい印象がありますが、一番 鮮明に記憶に残ったのが 「先を読む視点」「未来に貢献できる知見」「変化をいち早く予見」といった 未来を読んで経営をしようという姿勢です。

なかなかチャレンジングな基本理念やビジョンですが、具体的にどうやって実現するかという策に結び付けるのは、難しそうな印象が残りました。

 

 

今後の展開の妄想

上記の通り、未来を読んで経営という部分は測りかねますが、あたればすごそうです。ただ、ぼんやりしていて この部分について今後の展開は読めません。

他の部分は、商品ラインナップの拡充やグループで顧客と接していくという部分に力を入れることが想像できます。それぞれの顧客のニーズに応じた商品や会社を提供して 経営をしていくということですね。

 基本理念に登場する『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』ですが、あるべき姿を実現する手段では 「グローバルな視点で」という部分が登場しますが、それほど強調されていません。ということは、世界、というかまずはアジアに打って出るというのは、虎視眈々と狙うというわけでもなく それほど志向していないと考えられます。

まずは今の銀行の統合を優先するということでしょうか。新聞にもちょいちょい載るくらいなので、内部では相当ごたごたしているように感じますが、子会社の資本関係は素直で、現状でも商品の重複が少なそうですので、銀行が落ち着くことがあれば 未来を先読みして、大きく成長できる可能性があるかもしれません。

 

 

 

三菱UFJフィナンシャル・グループ 経営ビジョン

時価総額ランキングを上から見て行って、2017年2月現在で 日本で2位のMUFGが目に留まりましたので、一回目はこのMUFGから見ていきたいと思います。

  金融機関は経営者が何を考えているのか、個人的にはわかりにくいと思っていますので、とっかかりとして選びました。

 

経営ビジョン・CIなど|三菱UFJフィナンシャル・グループ

 

経営ビジョン

経営ビジョンとして、最初に使命が記載されています。

私たちの使命

いかなる時代にあっても決して揺らぐことなく、常に世界から信頼される存在であること。
時代の潮流をとらえ、真摯にお客さまと向き合い、その期待を超えるクオリティで応え続けること。
長期的な視点で、お客さまと末永い関係を築き、共に持続的な成長を実現すること。
そして、日本と世界の健全な発展を支える責任を胸に、社会の確かな礎となること。
それが、私たちの使命です。

「常に世界から信頼される存在であること」 というのが最初に記載されています。大辞林によると信頼とは「ある人や物を高く評価して、すべて任せられるという気持ちをいだくこと。」とあります。ということは、世界から評価されること、また任せてもらえる存在になりたいということと考えられます。

第一に世界をスコープととらえているということをもってきているのが印象的です。

そうした思いからすると、世界的な大きくてつぶせない銀行の一覧に載り より厳しい規制を受けるのも銀行の思いとしては、やって当然のことととらえられるのかもしれません。

List of systemically important banks - Wikipedia

 

次に「顧客の期待を超えるクオリティで応え続けること」とあります。顧客の期待を確認することも大切な気がしますが、他よりがんばりますよということなのかもしれません。

 

3つ目に 長期的に、末永い関係、持続的な成長を顧客とともに成し遂げるとあります。短期目線ではありませんよということなのでしょう。共存共栄ですね。

 

最後に 日本と世界を支える、またそれが自分たちの責任で、社会の確かな礎となるとあります。 ここも壮大なことを考えているように見えます。

 

大くくりでまとめると、ゴールは 以下の2つくらいと考えれるかと思います。

1.世界に出ていき、世界規模で社会に貢献していく存在になる。

2.顧客と長期目線で、共存共栄していく。

 

 

中長期の目標

それを受けて、中長期では以下のような姿を目指すとあります。

中長期的にめざす姿

世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ
-Be the world’s most trusted financial group-
  • お客さまの期待を超えるクオリティを、グループ全員の力で

    お客さま視点を常に大切にし、グローバルに変化する多様なニーズを逸早くとらえ、グループ全員の力で応えていく。社員一人ひとり・一社一社が専門性を極め、グループ一体となって連携・協働し、世界水準のトップクオリティを追求する。

  • お客さま・社会を支え続ける、揺るぎない存在に

    変化の激しい時代においても、お客さまの資産を守り、日本社会と世界経済の健全な成長を支える。一人ひとりが築く信頼と、グループ全員で作る強固な経営基盤で、最も信頼される頑健な存在であり続ける。

  • 世界に選ばれる、アジアを代表する金融グループへ

    これまで培ってきた強みを活かし、日本はもとより、アジア、そして世界においても選ばれる存在となる。多様化・ボーダレス化する社会で、変化へ積極的に対応し、一人ひとりが成長・活躍できる組織として進化を続ける。

 ゴールを目指す手段の部分ですね。

「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」とあります。よくよくみると 英語では「Be the world’s most trusted financial group」とあり、もう一段高いところを目指しているように見えます。世界でもっとも信頼される金融グループになるということですね。One of the world's most trusted..ではなく、The world's most trusted..とあるのが印象的です。

これを見ると、まずは世界に打って出たいという気持ちが強そうです。

 

そのあと、さらに3ステップに分けて考えているようです。

1ステップ目は、グループの力を強調しています。そして2ステップ目では、経営基盤をしっかりして信頼を得たい、また3ステップ目では、アジアを代表する金融グループへとなりたいと見えます。

 

つまり、世界に出たいけど まずは手始めとしてアジアで頑張りますよというように見えます。ただ、経営基盤を揺るがすようなことはしたくなく、グループ全員の力を結集して戦いたいということでしょうか。

 

その一環で2013年末にタイで五番目の資産規模のアユタヤ銀行を連結子会社化したのだと考えられます。ただ、そのあと3年ほど経過して 次の海外の大型買収案件はなく、成長国とはいえ、現状では政治の安定が危ういタイに進出したところで止まっているように見えます。

経営基盤を揺るがしたくないということから機会をうかがっているのかもしれないですが、買収だけが世界に打って出ることではないとはいえ、外から見ると目指している姿にあまり近づけていないように見えます。

世界的な金融危機が次に起こったら、その時は打って出るつもりなのかもしれません。そういう意味では、何かあれば世界を支える気持ちがあるけど、直近は様子見ということでしょうか。

下準備として、人事制度やシステム面で アユタヤ銀行をファーストケースとして、どのように統合するか、現地との役割分担をするかを整理しておくということは始めているかもしれません。

 

信託銀行は100%子会社ですが、証券会社は三菱UFJモルガン・スタンレー証券が60%、モルガン・スタンレーMUFG証券が40%の出資比率と なんとも微妙な状態で、グループ全員の力を結集するというには シガラミが多そうです。

方向性としては、ホールセールではベンチャーや中小企業向けでは資金需要の大きい時期にいかにリスクを取って資金を提供できるか、また大企業では様々な資金調達手段から金融市場の動向を考慮して最適と考えられる手段を提案することがポイントで、リテールでは高齢世代の資産運用ニーズをどのように取り込んでいくのかが直近のポイントだと考えられますが、パッと見で それぞれの会社で個別に取り組んでいるように見え、そのあたりが課題かと思います。

それぞれの業法もあるとは思いますが、また それぞれ 元々 それなりの歴史をもった会社であるので、そう簡単に年金等の事務、資産承継やラップ口座は信託銀行、M&Aや証券発行、投信やNISA関連は証券会社といったような役割分担ができるわけではないと思いますが、 どう力を結集するかがポイントですね。

それぞれの会社の強みを活かして、それぞれの企業の成長段階やライフステージに合わせて、必要なサービスを提供して 末永く共存共栄関係を目指すというのがビジョンにつながっていくと考えられますが、道のりは長そうです。

 

 

今後の展開の妄想

ビジョンは長期視点でのゴールのため、現時点では遠い目標であって当然です。ビジョンを定めたからには、そこに向かってどう道筋をつけて近づいていけるかが経営の腕の見せ所だと考えています。

 

妄想ですが、そうした状況下であれば 金融グループとして より機動的にサービス展開をできるようにワンストップ化を考えて、証券会社の微妙な資本関係はすっきりさせたいと考えるかもしれません。

あとは保険関係が弱いようにも見えますが、保険会社は系列が入り組んでしまって どうにかできる状態ではなく、また低金利下で資産形成の手段という面は薄れつつあるように思えますので、現状維持かもしれません。

そうした中で もし、世界的な金融危機が起こって 特に海外の銀行等で割安と考えられるものが出てきたら、経営基盤を揺るがさない範囲で買収等を検討するといったところが今後の展開として考えられそうです。