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dcsvの企業研究

思うところあって、企業研究をしようと考えています。企業理念やビジョン、トップメッセージ等を見ていきます。

三井住友フィナンシャルグループ 経営理念

メガバンクの残る一角、三井住友FGです。

 

経営理念 : 三井住友フィナンシャルグループ

 

経営理念

なんと3メガバンクで一番短い3行です。

お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する。

事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る。

勤勉で意欲的な社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場を作る。

一番印象的なのが、グローバルや総合金融機関といった言葉が出てこない点です。

 

シンプルに 顧客と共存共栄、企業としてのゴーイングコンサーン、社員の能力発揮と 3つにまとめています。

それぞれ 顧客、株主、従業員という ステークホルダーを意識しての理念と考えられます。すがすがしいです。

 

トップメッセージ

トップメッセージ : 三井住友フィナンシャルグループ

中長期的な話題はトップメッセージのページに記載がありました。ここから若干 複雑です。

 

 10年後と3年後に分けて記載されています。

まず、10年後。

「最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さまと共に成長するグローバル金融グループ」

 と最初にあり、

「アジア・セントリック」の実現

「国内トップの収益基盤」の実現

「真のグローバル化」と「ビジネスモデルのたえざる進化」の実現

  といった言葉が下支えする形になっています。日本・アジアをリードし、成長するグローバル金融グループ、とここで初めてグローバルという言葉が出てきました。やはり、アジアを中心に考えているようです。国内というドメインではなく、アジアの銀行という位置づけになりたいということでしょうか。

「国内トップの収益基盤」を実現するというのは、なんとなく目標としてわかるのですが、「真のグローバル化」や「ビジネスモデルのたえざる進化」を実現するというのは どうなっていることなのかイメージがつかないです。

 

3年後は、以下の4つです。

① 内外主要事業におけるお客さま起点でのビジネスモデル改革

② アジア・セントリックの実現に向けたプラットフォームの構築と成長の捕捉

③ 健全性・収益性を維持しつつ、トップライン収益の持続的成長を実現

④ 次世代の成長を支える経営インフラの高度化

2014年度からの3ヵ年計画のようなので、2017年2月末現在 その最終局面、つまり今は3年後の時点にあります。 それぞれについて、詳細に説明があります。

 

① 内外主要事業におけるお客さま起点でのビジネスモデル改革

まず、お客さま起点でのビジネスモデル改革については、多様化・高度化するお客さまのニーズへの対応力を高めるため、銀行と証券、国内と海外拠点、法人担当と個人担当などの連携や一体運営を進め、グループ力の強化を図ってきました。海外では、お客さまに対して証券サービスや決済関連サービス等のクロスセルを推進するとともに、高採算資産の積み上げ等を通じたポートフォリオの採算性向上・多様化に努めています。

このような取組の結果、たとえば、国内貸出金の増強、個人預り資産の増加、海外での証券関連収益の拡大や利ざやの確保等の成果に結びついており、SMFGの競争力は、着実に強化されていると考えています。

業種や地域、担当の枠を超えて連携、一体運営をして、国内貸出金、個人預かり資産が上向いているとのこと。また、海外で多様な商品・サービスをクロスセルして、高採算資産の積み上げを行い証券関連収益や利ザヤが確保できているとのことのようです。

10年後に実現する「国内トップの収益基盤」に向けた施策を着実にできていると考えているように見えます。

 

② アジア・セントリックの実現に向けたプラットフォームの構築と成長の捕捉

次に、アジア・セントリックの実現に向けた取組としては、新たな拠点の開設や香港の東亜銀行やカンボジアのアクレダ・バンクといった地場銀行を持分法適用関連会社とするなど、アジアでのプレゼンスを高めてきました。また、日本に次ぐ新たなフランチャイズを構築するべく取り組んでいるインドネシアでは、持分法適用関連会社である現地の銀行バンク・タブンガン・ペンシウナン・ナショナル(BTPN)とモバイルバンキングビジネスで協働を推進しています。「アジアと言えばSMFG / SMBC」と言われるような、アジア屈指の金融グループを目指し、着実に歩を進めています。

 過半数は握らない形で持分法適用関連会社として いくつかの今後成長が見込まれる国や地域に投資をして、アジア屈指の金融グループを目指しているようです。三菱UFJフィナンシャル・グループがタイの銀行を子会社化していたのに比べて、広く浅くという印象を持ちます。評価は難しいのでしょうが、アジアでのプレゼンスを高めたとか、協業を推進していますといったことが、プラットフォームの構築につなかっているのかは見えにくように思います。

こちらは 10年後の「アジア・セントリック」の実現に向けて 着実に進んでいるということにしているようです。

 

③ 健全性・収益性を維持しつつ、トップライン収益の持続的成長を実現

トップライン収益については、中期経営計画初年度は順調な滑り出しとなりましたが、2年目となる2015年度は伸び悩む結果となりました。とりわけ下期において、株価の下落や円高の進行など、市場環境の変化による影響を受けたことが主な要因です。これに加えて、コンシューマーファイナンス子会社における利息返還損失引当金の繰入や、BTPNののれん減損といった一過性の下振れ要因も発生したため、連結経常利益は9,853億円、連結当期純利益*1は6,467億円となりました。財務目標の進捗は、健全性を除き、厳しい結果になったと受け止めています。足許の事業環境は、中期経営計画策定時の想定から、状況が大きく変わってきており、詳細は後述しますが、今後はよりボトムライン収益に軸足を置いた運営が必要と考えています。

健全性は目標をクリアしたものの、トップライン、収益ともに思わしくなかったようです。市場環境の変化のみならず、貸金業での過払金の返還への引当や 力を入れたインドネシアの子会社の減損といった個別の原因があったことも認めています。ちょっと苦しそうですね。 

3年後の1つ目のところに関係しますが、10年後に実現する「国内トップの収益基盤」に向けた取組みのうち、足元は思わしくないということでしょうか。

 

④ 次世代の成長を支える経営インフラの高度化

最後に、経営インフラ高度化の観点では、コーポレートガバナンス体制の整備やダイバーシティの推進にも力を入れてきました。まず、コーポレートガバナンスについては、2015年5月に、SMFGにおける原則・指針として「SMFGコーポレートガバナンスガイドライン」を策定したほか、2015年6月には、多様な社外の視点をより一層経営に取り入れていくこと を主眼に、社外役員を増員しました。より実効的な体制構築を進めることができたと考えています。

 10年後に実現する「真のグローバル化」は コーポレートガバナンス体制の整備やダイバーシティの推進が有力な手段のようです。

一方の「ビジネスモデルのたえざる進化」の部分は、最初の3年では具体的な施策が見えてきていないように感じられます。

 

 

今後の展開の妄想

 あと7年で、「アジア・セントリック」を実現するということについては、今後も引き続き 広くいろいろな国や地域の金融機関を取り込んでいくことで目指していくだろうことが予想されます。

ただ、日本に次ぐフランチャイズの構築と意気込みをみせているインドネシアでも持分法適用の範囲での出資であり、かつ それも減損しているという影響もあり、子会社として買収したりする進出方法は考えていないように見えます。ですので 持分法適用の範囲で広く浅く投資をして それの成長を取り込むことに主眼を置いているように見えます。

緩めのグループという形で アジアの成長をカバーするというイメージかと思います。そういう意味で「ビジネスモデルのたえざる進化」を実現していくのかもしれません。

 

特徴として感じられるのが、他で出てくる総合金融グループという言葉が出てこないことです。グローバル金融グループという言葉は出てきていますが、総合という言葉はないようです。ただ、3年後の1つ目に記載のある通り 業種や地域、担当の連携は着実に取り組んでいるため、あえて表現せずとも自然にそうしていくというイメージでしょうか。SMBC日興証券も買収して子会社としたため、役割分担、連携はできそうです。ただ、信託銀行は 三井住友信託銀行が 独立した別路線で関係が薄く、シティのリテール部門を買収したSMBC信託銀行をグループ内においている関係で その面の強化は必要になってくるかもしれません。

 

10年後のゴールに向けた3年間という意味では、「国内トップの収益基盤」と「真のグローバル化」については、施策があまり順調でない、もしくは具体策が見えていないように感じられます。ただ、経営理念、10年後、3年後と ゴールに向けて、ブレークダウンをして、それぞれ目標と足元の進捗具合を評価している姿勢は 素晴らしいと思います。