dcsvの企業研究

思うところあって、企業研究をしようと考えています。企業理念やビジョン、トップメッセージ等を見ていきます。

大和証券グループ 企業理念

続いて、大和証券グループです。

 

大和証券グループ本社 / 企業理念

 

企業理念

「信頼の構築」
お客様からの信頼こそが、大和証券グループの基盤である。
お客様を第一に考える誠実さと高い専門能力により、最も魅力ある証券グループとなる。

「人材の重視」
大和証券グループの競争力の源泉は人材である。
社員一人ひとりの創造性を重視し、チャレンジ精神溢れる
自由闊達な社風を育み、社員の能力、貢献を正しく評価する。

「社会への貢献」
金融・資本市場を通じて社会及び経済の発展に資することは、大和証券グループの使命である。
法令遵守と自己規律を徹底し、高い倫理観を持って社会の持続的発展に貢献する。

「健全な利益の確保」
健全なビジネス展開を通じて企業価値を高めることは、株主に対する責務である。
大和証券グループはお客様に価値あるサービスを提供して適正な利益を獲得し、株主に報いる。

最初に 顧客からの「信頼の構築」を挙げています。ステークホルダーのうち 顧客を一番に重視するということですね。それに向けて 誠実さと高い専門能力で勝負するとあります。

 

そして 「人材の重視」と従業員を次に重視するとあります。競争力の源泉が人材と言い切っているところがポイントかと思います。

 

3つ目に「社会への貢献」と 社会・経済の発展と、コンプライアンスを重視するとあります。

 

最後に「健全な利益の確保」と株主のことに言及しています。順番的に株主が最後というのが印象的です。

 

経営方針

続いて経営方針です。

大和証券グループ本社 / 経営方針

当社グループは、目標に掲げるROE、固定費カバー率共に相応の実績を残し、また、資産管理型ビジネスの主力商品として重点的に取り組んだラップ口座や、相続トータルサービスの申込件数も大幅に増加するなど、着実な前進を果たした。

中期経営計画2年目となる平成28年度は、依然、不透明な世界経済情勢の中、外部環境に左右されにくい強靭な経営基盤の確立に向けた取り組みを更に進化させる。

具体的には、市場環境に拘わらず確実に存在する大きな社会的ニーズ、即ち、お客様のライフステージに沿った資産形成、資産運用、そして相続に関連するニーズに的確に応える中で、「フロー収益の安定化」を図ると共に、資本の有効活用を通じた、安定収益をもたらす新たな事業の拡充を図る。

当社グループは、業界トップのクオリティにより、「お客様に最も選ばれる総合証券グループ」として、“貯蓄から投資”の流れをリードし、日本の成長戦略に貢献できるよう、グループを挙げて取り組んでいく。

 企業理念、経営方針ともに、世界やグローバルという言葉が出てこないのが印象的です。

足元の資産管理型ビジネスが順調に伸びていて、それを強化して 収益の安定化を目指しているとあります。すっきりとした内容で、わかりやすいです。現場は それほど単純ではないのでしょうが、方針として明確で企業全体で見たときにいきわたりやすいのではないかと思います。

 

今後展開の妄想

大和証券グループは、傘下に大和ネクスト銀行という銀行を持っており、経営方針の詳細にも 銀証連携強化という言葉が出てきます。

これは メガバンクが証券子会社を グループ内に配置して、商品ラインナップを広げているのと、同じ考え方かと思います。そういう意味では、狙いが重なっていて 強大な競争相手がいると考えられます。

足元は ファンドラップ等の資産管理型ビジネスが伸びていて好調に見えますが、今後への布石という面では 縮小が見込まれる国内ビジネス中心で、メガバンクと戦っていくと考えると、なかなか難しい局面が出てくる可能性がありそうです。

ここで考えられるのは、メガバンクと正面から競争することになりそうですが、買収か設立するかして信託銀行機能をグループ内において、遺産相続や資産継承といったニーズを入口に資産管理型ビジネスをさらに伸ばすことを目指すという道がありそうです。

そういう意味では、メガバンク勢がグループ内連携に戸惑っている間に、いかに資産管理型ビジネスで スピード感をもってシェアをとっていくかがポイントになりそうです。